まずはやってみる、社員の健康管理で革新的ながんのスクリーニング検査を導入~ 大事なのは自分事化して向き合うこと ~

株式会社上和電機

株式会社上和電機様では、社員の健康を守るという強い思いから、がんリスク検査「サリバチェッカー🄬」を福利厚生として導入しました。単なる導入にとどまらず、社員が自分事として認識できるよう社内浸透を進めてきました。村上代表は、試行錯誤の中で社員一人ひとりが自分の健康状態を知ることの重要性を強調しています。今回は、導入の背景と実際に検査を受けた社員の声を通じて、その取り組みを詳しくご紹介します。

目次

信頼ある紹介者から聞いた「サリバチェッカー」

サリバチェッカーの導入の背景には、「社員の健康を守りたい」という想いがありました。
日本において、がんは主要な死亡原因の一つとして知られています。多くの方がこの病気で亡くなっている中、予防医療の重要性がますます高まってくると感じています。社員が自身の健康状態を知り、必要な知識や治療法を早期に得ることで、長く健康で働き続けられる環境を提供したいという想いがあります。


最初は自分たちの身体の状態を知ることからスタートし、何を使って、どのタイミングで検査を行うのかは、ロジックだけでは解決できない部分もありました。タイミングや縁、人とのつながりが改めて重要だと感じました。
当社がサリバチェッカーの導入にあたり、信頼できる紹介者(荘内銀行様)からサービスを知りました。
サービスの内容はもちろんですが、「これだ」と思えるかどうかが重要でした。


健康になってほしい、社員に長く働いてほしいという想いはありますが、どうすれば実現できるのかが明確でない中で、サリバチェッカーはその一助となると考えました。試行錯誤の中で、何が必要なのかを理解し、実際に試すことで見えてくるものがあると信じています。

はじめるきっかけは縁やタイミング

正直、がんのスクリーニング検査については知りませんでした。紹介者への信頼という特別感があり、世の中の福利厚生の流行りもあって試してみようと思いました。サリバチェッカーも「だ液でわかる」という手軽な印象もあり試してみようと思いました。
導入を決めた際には、希望者を募ることに不安もありました。せっかく導入しても、60〜70名いる社員の中で参加者が3名だけだったら意味がないと感じていたからです。しかし、実際には多くの社員が関心を持ち、参加してくれたことで、導入の意義を感じました。

健康を維持しながら長く働くことができるようになると、社会への貢献度も高まると考えています。人生100年時代と言われる現代において、働き方や健康管理の重要性はますます増しています。体力や視力の低下、老化といった問題に対処しつつ、希望に満ちた未来を築くためには、健康と気力が欠かせません。

社員任せはダメ、検査の必要性を個々に意識させる働きかけ

当社は荘内銀行様からサリバチェッカーの紹介を受け、社内の一回目の講習会では、サービスの説明をしていただきました。ただ説明するだけでは社員にピンとこないため、荘内銀行様にも参加してもらい実際に自分ががんになった場合、生活がどう変わるのかというシナリオを具体的に想像させる内容を盛り込みました。

自分事として考えられるようにするため、がん保険がどのようなものか、がんになった場合の生活がどう変わるのかを知らないところから始め、社員が実際にそれを学べる機会を設けました。

昨年、大同生命様と提携して従業員保険を見直す際、さらに具体的な働きかけを行いました。元関西テレビのアナウンサーを招いて1時間程度のがんの講義を実施し、この講義では、若くして奥さんを亡くし、2か月の小さな子供を抱えるという内容でしたが、社員に深い印象を与え、同じ状況に置かれた自分を想像させるものでした。

このように、具体的な状況を想像させながら、サリバチェッカーの存在を伝えることで、社員の関心を引きつけました。流れを作らずに突然導入するだけでは、社員の理解を得ることは難しかったと思っています。

自分たちがなぜこれをやるのか、そこが腑に落ちたので皆やってくれました。当社は自分たちが会社で働くのにパートナーも含め安心して暮らせるよう配偶者までサリバチェッカーを受けていただくことを認めています。

サリバチェッカーを受けた社員の反応と結果の管理

社員の声を聞くと、「健康管理の重要性を再認識するきっかけになった」という声が多く上がりました。
初回の導入時には、40歳以上の社員や配偶者も対象としましたが、今回は制限をなくし、より多くの社員に利用してもらえるようにしました。その結果、若い社員の間で健康に対する意識が高まり、一方で50~60代の社員が受けないという興味深い結果も見られました。
若い社員の方が未来に対する不安を感じ、積極的に健康管理に取り組む姿勢が強いことが分かりました。

全員が同じレベルで理解することは難しいですが、会社の雰囲気を作るためには、半数以上の社員が積極的に参加することが重要です。これにより、多数派の意見が会社全体の雰囲気を形成し、健康意識の向上につながります。

一方で、検査結果の管理についてはどうすべきか、会社として、社員の健康状態を直接管理することには慎重な立場を取っています。体調を崩す前に予防することが目的ですが、どこまで会社が介入すべきかについては議論がありました。
自分の体調を会社に管理されることに抵抗を感じる社員も多いでしょうし、「あの人はリスクが高い」と見られることは避けたいものです。そのため、プライバシー保護と自主性を尊重する形で、健康管理を進める方向で現在は進めています。
プライバシーを尊重することで社員に安心して受けてもらえる環境を整えています。

もし、今後さらに健康促進を推進する部署を設置するのであれば、会社が健康管理を一括して行うことも考えられます。ライフプランナーのような役割を持つスタッフが必要となるかもしれません。

福利厚生は手段、その先につなげることが大事

企業が福利厚生を導入する際、ルールを作ることが重要と考えています。
よく聞くのは「従業員が喜んでいました」という話ですが、それだけではあまり意味がないように思っていて、重要なのは、企業が何を求めているのか、そしてそれを働く人たちがどう感じているのかです。

仕組みを紹介しないと、その意図や効果がわからないことが多いです。当社のやり方が本当に良いやり方なのかどうかは、それぞれの捉え方により異なります。当社としても、自分たちの取り組みが素晴らしいとは思っていません。重要なのは、数年後にどういう結果として現れるかを見極めることです。今の取り組みが将来的にどう評価されるか、先を見据える必要があります。

サリバチェッカーも進化していくと思います。現在、このサービスを当社が導入したことが将来的には大きな成果をもたらす可能性もあり、お互いが成長段階にある中で、継続して取り組むことで特別な価値が生まれるのではないかと思っています。

継続の重要性、健康からはじまる人間形成

多くの社員が参加することで、健康意識が社内に浸透し、参加しない人も肩身の狭い思いをするようになります。一方で、参加者が少ないと「やっても意味がない」という風潮が広がりかねません。こうした状況を避けるためには、過半数の社員が参加する環境を作ることが重要です。

社員が病気になる前に不安を軽減するためには、予防活動が不可欠です。しかし、生活習慣を変えることは簡単ではなく、継続するためには環境の変化が必要です。多くの人が健康維持や生活習慣の改善を試みても、続けるのがもっとも難しいと感じています。

このように時代の変化に応じた健康維持やストレス管理の方法を取り入れることで、社員の健康意識を高めることができると考えており、サリバチェッカーの導入もその一環です。

社員の中には、サービスの導入に疑問を持つ人もいましたが、試してみることで結果が見え、興味を持つようになりました。次回の取り組みでは、対象者の制限をなくし、より多くの社員に参加してもらう予定です。
山形発信のサリバチェッカーを活用することで、地元の恩恵を受けつつ、社員の健康意識を高める取り組みを続け、ただ健康になるだけでなく、人間形成にもつながると信じています。

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