患者と共に歩む歯科医の予防医療~ 健康寿命増進を掲げ、がん予防にも取り組む ~

武田歯科医院

山形県の鶴岡市にある「武田歯科医院」様では、健康寿命増進をビジョンに掲げ、日々患者様に寄り添った歯科医療を行っています。
虫歯や歯周病をはじめとした歯に関するトラブルの治療はもちろんですが、患者様との日々のコミュニケーションから得た情報をもとに予防医療にも注力し、また歯周病ががんと関連していることが明らかになっていることから、だ液を用いたサリバチェッカー🄬を導入を決めました。
歯科医療の一環として口腔がんを含む様々ながんのリスクを減らす取り組みを伺いました。

目次

サリバチェッカーを導入しようと考えたきっかけは?

私たちの歯科医院では、健康寿命の増進をビジョンとして掲げています。その理念に基づき、日々新しい取り組みを模索してきました。特に「予防医療」に注力しており、患者様の健康維持に力を入れています。

最近の研究では、歯周病が様々な形でがんと関連していることが明らかになっています。口腔ケアとしての歯周病の予防が非常に重要であることは、全身疾患と同様に広く認知されるべきと考えます。そのため、当院では歯周病予防の重要性を改めて認識し、積極的に取り組んでいます。

そんな中、「がん予防」の一環としてサリバチェッカーのサービスに出会いました。このサービスは、簡単なだ液検査によって口腔がんを含む様々ながんのリスクを把握することができ、患者様の健康寿命を延ばすための最前線の予防手段となります。これは導入しない手はないと考え、早速取り入れることにしました。

サリバチェッカーの導入により、患者様にとっても手軽にがんリスクを確認できる方法を提供できるようになり、より充実した予防医療を提供することができています。これからも、患者様の健康を守るために最善の方法を追求していきたいと考えています。

歯科医で「だ液検査」を導入する魅力やメリットは?

歯科の分野では、昔から「だ液検査」が行われています。
例えば、虫歯のリスクを調べる「カリエスリスク検査」や、歯周病菌に対する感受性を調べるDNA検査などです。そのため、だ液検査に対して特に抵抗はありませんでした。

特別なオペレーションが不要、歯科助手さんや患者様も抵抗なし

患者様の中にはだ液が出にくい方や、緊張される方もいます。しかし、普段から診療に来ていただいている患者様との間にはスタッフとの信頼関係が築かれており、声かけや励ましを通じて和気あいあいとした雰囲気でだ液検査を行っています。そのため、特に大きな懸念点は感じていません。

がんリスクの検査結果で将来予測をたてる

サリバチェッカーは、だ液を使って歯周病だけでなくがんのリスクの高さも評価できる点が優れています。特に、〇×のような単純な評価ではなく、相対的なリスク値を示すため、検査後の対策が立てやすくなります。
単回の検査ではなく、継続的に行うことが重要であり、定期的に検査を続けることが患者様にとっても安心材料となります。これにより、予兆が見られた場合には予防対策を変更したり、検査回数を増やしたりといった対応が可能になります。
当院でも、福利厚生の一環として、毎年4月に全員がサリバチェッカーを受けるようにしています。

より多くのがんリスク評価に期待

だ液検査はあくまでリスク検査ですので、精度を上げることはもちろん重要ですが、検査の範囲を広げていただきたいです。できるだけ多くのがんのリスクを評価できるようになることが理想です。また、だ液検査の結果を基に、次の段階で高次な医療機関に患者様を紹介することが重要だと思っています。それがだ液検査の大きな目的だと考えています。

患者様やスタッフとのコミュニケーションは大事な情報源

当院では初診時にカウンセリングを行い、その方の既往歴を含めた様々な情報を収集しています。予防医療を継続する中で、患者様とスタッフの間には信頼関係が築かれ、家族の健康状況なども話題に上がることがあります。例えば、「お父さんやおじさんをがんで亡くした」といった情報をもとに、当院ではがん予防の取り組みを考え始めました。
特に、膵がんや肺がんの生存率が非常に低く、早期発見が難しいという課題があります。これを簡単なだ液検査で早期に発見できれば、患者様の健康維持に大いに役立つと考えています。

患者様の中には、家族をがんで亡くした経験から定期的にだ液検査を受けている方もいます。日々のコミュニケーションを通じて、様々な形で情報が共有されていることがわかります。

歯科医の役割は口腔がんだけでなく、全体的ながん予防医療に関わることが重要です。特に最近では、メディアでも取り上げられているように、歯周病と全身疾患の関係性が注目されています。昔から言われていることですが、治療に当たっている私たちにとって、歯周病予防ががん予防につながると確信しています。

歯科医療と予防医療のこれから

予防医療は一回では終わらず、長い付き合い、一生の付き合いだと思っています。初めは歯に関する相談が主ですが、次第に家族のこと、家庭のこと、職場のことなど、さまざまな相談事が出てきます。それらが予防や生活習慣とどう結びつくかを考えることが重要です。例えば、大切な方を失った、職場環境が変わった、嫁姑の関係、介護の問題などが挙げられます。これらの問題は生活習慣や身体の健康にも影響を与えるため、相談を受けることが予防医療の一環となります。
話を聞くだけでも患者様から「心が軽くなった」と言っていただけることが多く、患者様に寄り添うことを大切にしています。

私たちはこういった関係値をつくり患者様と共に歩むことが歯科医療の本来の姿だと思っています。医科と歯科の違いとしては、医科は病気を一点集中で治療するのに対し、歯科は継続的な予防と未病の状態を保つことにあります。患者様に来院いただき、予防に繋げることが歯科医療の役割だと考えています。

歯科全体として、予防に力を入れてきた結果、小さな子どもにはほとんど虫歯は見られなくなりました。しかし、生活習慣の乱れから顎の発育が悪くなるケースや、口呼吸、夜型生活、ゲームの影響による姿勢の悪さなどが問題となっています。これにより矯正治療の必要性が高まり、自由診療に繋がっています。また、インプラントの需要も増えています。

まず大切なのは、歯科医に任せるのではなく、「自身が予防に取り組む意識を持つ」ことです。自分自身が自分の身体の主治医という自覚を持っていただき、歯科はそのサポートをすることが役目と考えています。例えば、子どもの不正咬合が増えています。それに対しては、日々の生活習慣をしっかりと指導し、出来る限り自然に生え変わり、綺麗な歯列が完成するようにサポートします。家庭が主役です。歯科は助言し寄り添っていきます。患者様自身と家族が中心となり、歯科がそれを支える形を目指しています。

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