「腰痛が癌の徴候である可能性を知りたい」
「癌の初期症状を見逃さないようにしたい」
「癌の可能性を早期に排除したい」
長引く腰痛に悩まされ、上記のように癌の可能性を心配する気持ちはよくわかります。不安な日々を過ごされているのではないでしょうか。
腰痛が長引いたケースや腰痛が悪化ケースでは、原因ががんだったケースもあります。がんはどんどん進行するので、早期発見して治療することが大切です
この記事を読んで、自身の腰痛の原因が癌なのか判断し、医療機関を受診するかどうかを判断しましょう。
腰痛の原因として考えられる病気
「腰痛」は特定の疾病を指す名称ではありません。腰痛とは、腰部周辺に生じる痛みや張りといった不快な症状を総合的に表す言葉です。
多くの場合、座骨神経痛と呼ばれる足に及ぶ症状も腰痛に分類されます。症状が長引く場合は、深刻な病気の可能性があるため、早めに病院を受診するのが大切です。
腰痛の原因として考えられる病気は、主に以下の2つに分類されます。
- 特異的腰痛
- 非特異的腰痛
それぞれ説明します。
特異的腰痛
特異的腰痛とは、医師の診察によって原因を特定できる腰痛のことです。
腰痛の原因は様々で、複数の原因が関わることもあります。大半は原因不明ですが、約15%は「特異的腰痛」として原因を特定できます。
主な原因の疾患は以下のとおりです。
- 椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 骨粗しょう症
- 筋筋膜性腰痛症
これらの疾患は、レントゲンやMRIなどの画像診断で特定できることが多いです。特異的腰痛は、適切な治療を行うことで症状の改善が期待できます。早期発見・早期治療が大切なので、長引く腰痛には注意しましょう。
腰痛の原因は多岐にわたりますが、中には見逃してはいけない深刻な病気が隠れていることがあります。特に腰の周辺の癌が原因で腰に痛みを感じるケースに注意しましょう。
放置すると進行してしまうので、発見したらすぐに対処しなければなりません。
非特異的腰痛
非特異的腰痛とは、しびれや基礎疾患がなく、エックス線やMRIなどの画像検査をしても明確な原因が特定できない腰痛のことです。腰痛の約85%は「非特異的腰痛」と呼ばれます。
非特異的腰痛の原因として考えられるものは、以下のとおりです。
- 筋肉や靭帯の緊張
- 長時間の中腰や猫背などの不適切な姿勢の継続
- 運動不足による腰を支える筋力の低下
これらの要因が複合的に作用して、腰痛を引き起こしていると考えられています。多くの場合は生活習慣の改善や適切なセルフケアを行えば短期間で症状は軽減するでしょう。
非特異的腰痛は原因の特定が困難なため、症状の緩和と再発防止に焦点を当てた対処が重要となります。
治らない腰の痛みは癌のサインの可能性もある
腰の痛みが中々引かず、以下のような痛みが続くケースでは癌のサインである可能性があります。
- 痛みが常にある
- 腰痛以外に体重減少や発熱が見られる
- 腰痛以外に手足のしびれや痛覚障害がある
癌は進行すると神経を圧迫したり、慢性的な炎症を引き起こしたりします。腰痛が治らず痛みが続く場合は癌のサインかもしれないので、迷わずに病院を受診しましょう。
腰痛の症状が出る癌の種類
腰痛を引き起こす可能性がある癌には、いくつかの種類があります。癌の種類によって、腰痛の現れ方や程度が異なることがあります。
腰痛の症状が出る代表的な癌の種類は以下のとおりです。
- 膵臓癌
- 大腸癌
- 血液癌
それぞれ説明します。
膵臓癌と腰痛の関係性
膵臓癌は、初期には目立った兆候が現れにくいため、早期発見が困難で、進行が速いというのが特徴です。
膵臓には、消化を助ける酵素やインスリンのようなホルモンを産生する機能があります。そのため、膵臓癌が進展すると、食物の消化不良や血糖値の調節障害といった問題が生じます。
膵臓は体内の深部に位置しているため、膵臓癌を初期段階で発見するのが難しく、診断が下される時点では既に進行している例が多いです。
実際に、膵臓癌による腰痛は以下のような特徴があります。
- 鈍痛や焼けつくような痛みがあり
- 痛みを持続的に感じる
- 姿勢や動きによって痛みが強くなる
また、膵臓癌のステージによって痛み方は異なります。具体的なステージごとの痛みの特徴は以下のとおりです。
ステージⅠ | 初期の段階では、痛みはほとんど感じられないか、あってもごく軽微。この時期は他の症状も乏しいため、わずかな痛みも見過ごされがちである。 |
ステージⅡ | 軽微な痛みを覚えることがある。特に食事の後や夜間に痛みが強まる傾向がある。 |
ステージⅢ | 中程度の痛みを自覚するようになる。腰部や背部に鈍痛や灼熱感を伴う痛みが出現することが多い。 |
ステージⅣ | 激しい痛みを伴うようになる。痛みは継続的であり、日々の生活に支障をきたすことが多い。疼痛コントロールが必要となる。 |
大腸癌と腰痛の関係性
大腸癌は、その名のとおり大腸に発生する癌を指します。大腸の内側を覆う粘膜から直接癌細胞が生じたり、良性のポリープが癌化したりすることで始まります。
大腸癌の特徴として、初期段階では症状がほとんど現れず、進行も緩やかなため、気づくのが遅れがちです。そのため、適切な処置を受けないまま放置すると、最悪の場合、命を落とす可能性もあります。
進行するにつれて、癌細胞は大腸の壁に侵入し、さらにはリンパ節や肝臓、肺といった他の器官にも広がっていきます。リンパ節や脊椎(背骨)に転移した際に神経を圧迫して腰痛として見られるケースがあります。
大腸癌による腰痛の特徴は、以下のとおりです。
- 動作や姿勢に関係なく腰痛がある
- 痛みに強弱がない
また、大腸癌が進行すると、急激な体重減少が現れるかもしれません。癌細胞が私たちが摂取した栄養を利用して成長するためです。
大腸がんのステージによっても痛み方は異なり、進行すると痛みが強くなります。
血液癌と腰痛の関係性
多発性骨髄腫は血液癌の一種です。
多発性骨髄腫は血液中の白血球の一種であるリンパ球、特にB細胞から進化した形質細胞が悪性化することで発症します。癌化した形質細胞は骨髄腫細胞となり、主に骨髄内で増殖を続けます。
形質細胞が増えてくると骨が徐々に破壊されてしまうため、腰痛や背中の痛みが生じるでしょう。体重を支える背骨が圧迫骨折を起こすことで、腰痛が現れるケースも多いです。
腰痛以外にも、多発性骨髄腫はさまざまな症状を引き起こします。多発性骨髄腫で表れやすい症状は以下のとおりです。
- 息切れや動悸といった呼吸器・循環器系の症状
- 鼻血や歯茎からの出血などの出血
- 全身的な倦怠感
- 発熱
原因不明の持続的な腰痛や上記の症状が複合的に現れる場合は、多発性骨髄腫の可能性を考慮し、専門医による診断を受けましょう。
女性特有の癌も腰痛の症状が出ることがある
女性の体に関わる癌は、初期症状として腰痛を引き起こす可能性があります。
女性特有の癌で腰痛を引き起こす可能性があるものは、以下のとおりです。
- 卵巣がん
- 子宮頸がん
- 子宮体がん
- 乳がん
それぞれの癌と腰痛の関係について説明します。
卵巣がん
卵巣がんは、卵巣に発生する悪性腫瘍のことです。卵巣腫瘍は発生箇所によって複数の種類に分類され、良性、悪性、あるいはその中間的性質を持つ境界悪性があります。
腫瘍の増大や腹腔内への腹水貯留により、周辺の器官や神経が圧迫されます。その結果、腰部や腹部に痛みが生じるでしょう。
体重の増加傾向が見られたり、腹部周囲がいつもより締め付けられるような感覚を覚えたりすることも珍しくありません。これらの症状は、腫瘍の成長や腹水貯留が原因です。単なる生理痛であると思わず、長引く腰痛には注意を払いましょう。
子宮頸がん
子宮頸がんは子宮の入口部分に発生する悪性腫瘍です。HPV(ヒトパピローマウイルス)への感染が原因です。子宮頸がんは気づかない内に進行していて、発症ピーク年齢が女性の出産適齢期と一致します。
子宮頸がんが進行すると、骨盤の神経を圧迫し、患者は長く続く痛みや不快感を抱きます。
他にも以下の症状が現れるかもしれません。
- 排尿困難や便秘
- 腹部のふくらみと下腹部の重圧感
- 性器からの不正出血
- 性交時の出血
子宮体がん
子宮体がんは、子宮体部にできるがんのことです。
子宮体がんの主な症状は以下のとおりです。
- 不正出血
- 悪臭のある、おりもの
子宮体がんが進行すると、しばしば腰部や腹部に不快感を抱くことがあります。
腹部の不快感とは、突然の鋭い痛みというよりも、腹部に重みを感じたり、膨満感や何となく不快な感覚として表現されたりすることが多いです。
癌が子宮深部まで進行し、子宮が肥大化すると、骨盤や腰部に痛みを引き起こすかもしれません。
乳がん
乳がんとは乳腺に発生する悪性腫瘍で、女性に多く見られます。乳がんは骨に転移しやすい特徴があります。腰椎や骨盤に転位すると腰痛が現れるでしょう。
乳がんの転移において、約3割の患者さんでは骨が最初の転移部位です。これは乳がん細胞が血流に乗って骨に到達し、そこで増殖することで起こります。注目すべき点として、乳がんの手術から10年以上経過した後でも骨転移が発生する可能性があります。
乳がんで転移しやすい骨は以下のとおりです。
- 脊椎
- 骨盤
- 肋骨
- 頭蓋骨
- 上腕骨
- 大腿骨
一方で、乳がんの特徴として、肘より先の前腕や手、また膝から下の下腿や足の骨への転移はほぼ見られません。この転移パターンの理解は、乳がん患者さんの経過観察や治療方針を決定する上で重要な指針となります。
腰痛の原因が癌なのか見分けるにはリスクチェックも有効
腰痛の原因が癌なのかを見分けるには、リスクチェックが有効です。自分の状態を客観的に評価することで、早期発見・早期治療につながります。
癌による腰痛はある程度、癌が進行してから現れるので、早期受診が大切です。腰痛をきっかけに癌が見つかるケースもあるので、「ただの腰痛」と思って受診をためらう場合は自宅で癌のリスクチェックを受けるのもよいでしょう。
腰痛の原因が癌かどうかを判断するためのリスクチェック項目には、以下のようなものがあります。
- 長期間続く腰痛
- 夜間に悪化する痛み
- 原因不明の体重減少
- 持続的な疲労感
長期間続く腰痛は、癌の可能性を示す重要なサインの一つです。3か月以上腰痛が続いたり、痛み止めを使っても改善しなかったりするケースでは注意が必要です。
これらの症状が当てはまる場合、医療機関の受診を検討しましょう。
まとめ
長時間腰痛が続いたり、痛み止めが効かなかったり、腰痛がどんどん強くなるよう場合は、原因はがんだったケースもあります。腰痛の原因は、原因を特定できる「特異的腰痛」と原因を特定できない「非特異的腰痛」に分類できます。
腰痛の原因である可能性のある癌は、以下のとおりです。
- 膵臓癌
- 大腸癌
- 血液癌
- 卵巣がん
- 子宮体がん
- 乳がん
長期間、腰痛が続くと医療機関を受診した方がよいのか不安になります。そのような場合は、自身でリスクチェックをして医療機関を受診するべきか考えるのがおすすめです。
癌を不安に思って、がん検診を受けようとしても、がん検診には多様な種類があり、それぞれが身体的・精神的な負担を伴い、結果が出るまで待たなければなりません。
自分自身にとってリスクの高いがんを特定できれば、優先的に受けるべき検診を選択しやすくなります。しかし、腰痛の原因でがんを疑っているケースでは、どの種類のがんを調べればよいのかわからないでしょう。
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- 肺癌
- 大腸癌
- 膵臓癌
- 乳がん
- 胃がん
- 口腔がん
長引く腰痛を不安に思い、がんを疑っているけれど医療機関の受診を迷っている方はぜひ利用を検討してみてください。