がんの死亡率統計|もっとも厄介ながんって?日本人に多いがんの種類も解説

がんは日本人の死因第一位であり、多くの人々にとって大きな不安要素となっています。

  • 自分や大切なひとががんになったらどうしよう
  • どのがんが一番危険なのだろうか
  • 日本人に多いがんってなんだろう

このような疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。実際、がんは誰にでも起こりうる病気であり、不安や心配は当然のものです。がんに対する正しい知識を持ち、適切な予防策がとれれば、リスクを大きく低減させる可能性が高まります。

本記事では、最新のがん統計データをもとに、日本人のがん死亡率やもっともタチの悪いがん、日本人に多いがんの種類について詳しく解説します。さらに、がんの予防法や早期発見の重要性についても触れていきます。

本記事をつうじて、がんに対する理解を深め、自身や大切なひとの健康を守るための具体的な行動につなげていただければ幸いです。

目次

がんの死亡率統計ランキング

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厚生労働省が2023年9月に公表した「2022年の人口動態統計(確定数)」によると、死亡の原因でもっとも多いのが「がん」であり、死亡数の24.6%を占めました。

「2022年の人口動態統計(確定数)」が2024年9月時点の最新情報です。

死亡原因のがんを部位別でみると、男性は肺がん、大腸がん、胃がん、すい臓がん、肝臓がんの順に多く、女性は大腸がん、肺がん、膵臓がん、乳がん、胃がんの順となっています。

出典:国立がん研究センター

ここからは生涯でがんによって死亡する確率について解説します。

ある年齢までにある病気で死亡する確率を示す指標を「累積死亡リスク」といい、生涯でがんによって死亡する確率はこの累積死亡リスクによって表されます。
具体的には、0歳の人100人からなる集団を仮定し、その集団を加齢させて最終的に全員が死亡するまでの間にがんで死亡した人の割合を算出します。

国立がん研究センターの最新データ(2022年)による累積がん死亡リスクは、以下のとおりです。

  • 男性25.1%(4人に1人)
  • 女性17.5%(6人に1人)

累積がん死亡リスクは、年齢とともに上昇します。あくまで統計的な確率であり、個人の生活習慣や遺伝的要因によってリスクは変動する点を理解しておきましょう。

もっとも厄介ながんとは?

がんの「厄介さ」は、がんの種類やステージ、個人の状態によって大きく異なるため、一概に「もっとも厄介な」がんの特定は困難です。

しかし、一般的に以下の特徴を持つがんは予後が悪く、治療が難しいとされています。

  • 手術でがん細胞を摘出できない
  • 転移しやすい
  • 再発しやすい
  • 事例が少なく治療法が確立されていない

これらの特徴に当てはまりやすいがんの種類は、以下のとおりです。

  • 膵臓がん
  • 胆道がん
  • 食道がん
  • 肺がん

それぞれ解説します。

膵臓がん

膵臓がんは早期発見が非常に困難で、診断時にはすでに進行している場合が多いです。

転移しやすく、化学療法や放射線療法への反応も限定的である可能性が高いため、5年生存率が低いがんのひとつとされています。

胆道がん

胆道がんも早期発見が難しく、症状があらわれた時には進行している場合が多いです。

身体のなかでも、解剖学的に複雑な部位にあるため、手術による完全な摘出が困難な場合があります。

食道がん

食道がんは早い段階で周囲の組織に浸潤(しんじゅん)しやすく、リンパ節転移も起こりやすいです。

手術が複雑で身体に与える影響が大きいため、治療が困難な場合があります。

肺がん

肺がんの中でも小細胞肺がんは増殖が速く、早期に転移する傾向があります。

初期治療には効果を得やすいものの、再発率が高いとされています。

日本人に多いがんの種類

がんは性別や年代に誰しもが発症する可能性がある、非常に身近な病気です。

国立がん研究センターの統計よると、生涯がんに罹患する確率は、男性62%、女性が47%となっており「日本人の2人に1人が、1度はがんにかかる」といわれています。

国立がん研究センターの最新データによると、日本人にとくに多いがんの種類は以下の3つです。

  • 大腸がん
  • 肺がん
  • 胃がん
スクロールできます
1位2位3位4位5位
男女計大腸乳房前立腺
男性前立腺大腸肝臓
女性乳房大腸子宮

出典:国立がん研究センター

これらのがんは、罹患数と死亡数の両方で上位を占めており、日本人の健康に大きな影響を与えています。

ここからは、それぞれのがんが多い理由を詳しく解説します。

日本人に大腸がんが多い理由

日本人の大腸がん罹患率増加のおもな原因は、生活習慣の欧米化です。食生活の欧米化により、私たちの食事は高カロリー、高脂肪、低繊維質の傾向が強くなっています。

このような食生活の変化は、肥満をはじめとする様々な生活習慣病のリスクを高めるだけでなく、大腸の粘膜にも悪影響を及ぼし、大腸がんの発生リスクを上昇させるのです。

とくに肉類などの動物性脂肪の過剰摂取や食物繊維不足は、大腸内の発がん物質の生成を促進します。

さらに、遺伝的要因も無視できません。家族に大腸がんを患った方がいる場合、大腸がんを発症するリスクは更に上昇します。

遺伝性のがんは、遺伝子ないがんと比べて、若年で発生する傾向があります。たとえば、遺伝子ない大腸がんの好発年齢は60歳以上ですが、遺伝性の大腸がんは40歳代に発症

するケースが少なくありません。

日本人の大腸がんの増加は、食生活などの環境要因と遺伝的要因が複合的に作用しているのです。

日本人に肺がんが多い理由

日本人の肺がん罹患率が高い最大の要因は、長年にわたる高い喫煙率です。

喫煙を始めた年齢が若く、吸う本数が多いほど、肺がんのリスクは高くなります。とくに男性の喫煙率が高かったことが、現在の肺がん患者数の多さに反映されています。

喫煙の影響は約30年後にあらわれるとされており、現在の肺がん患者数は、30年前の高い喫煙率を反映しているのです。

日本人でたばこを吸うひとは、吸わないひとに比べて、男性で約4倍、女性では約3倍肺がんになりやすいとされています。

受動喫煙(周囲に流れるたばこの煙を吸うこと)も肺がんのリスクを約2~3割高めるため、たばこを吸わない方も注意が必要です。

肺がんの最大のリスクファクターはたばこによる影響ですが、近年では、大気汚染、とくにPM2.5などの微小粒子状物質の影響も注目されています。

微細な粒子が肺の深部まで到達し、長期的な曝露(ばくろ)が肺がんのリスクを高める可能性へとつながります。

肺がんを予防するために、大気汚染をひとりの力で抑えるのは難しいですが、すぐにでも取りかかれるのが禁煙です。たばこを吸っている方は、禁煙によってご自身と周りのひとの健康な肺を守りましょう。

日本人に胃がんが多い理由

胃がんは日本人のがんによる死亡原因の上位に位置しており、罹患するひとは50歳代から増加します。

日本人の胃がん罹患率が高いおもな原因とされているのは、食事中の高塩分摂取とヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)の高い感染率です。

日本の伝統的な食生活には、塩漬けの食品や塩分の多い調味料が使用されており、これらが胃の粘膜を傷つけ、がん化のリスクを高めています。

一方、ピロリ菌の感染は胃炎や胃潰瘍を引き起こし、長期的には胃がんのリスクを増加させます。

国立がん研究センターでは、胃がんの予防法の1つとして「ピロリ菌感染の有無を知り、感染している場合は除菌を検討すること」を提言しているほどです。

かつて胃がんは20歳代にもよく見られた病気ですが、原因となるピロリ菌の感染率が激減したこともあり、現在では20歳代から40歳代の胃がんはかなり減少しました。

高塩分食品の摂取を控え、ピロリ菌感染の有無を確認し適切に対処するできれば、胃がんのリスク低減へとつながるでしょう。

がんは早期発見が重要!

がんは、種類を問わず早期発見が非常に重要です。早期に発見されれば、治療の選択肢が広がり、生存率も大幅に向上します。たとえば、胃がんの5年生存率は、早期がんでは90%以上ですが、進行がんでは50%以下に低下します。

がんの早期発見のためには、以下の方法が効果的です。

  • 定期的な健康診断やがん検診を受ける
  • 体の変化や異常を感じたら早めに医療機関を受診する
  • 自己検診(乳がんの自己触診など)を定期的に行う
  • 家族歴のあるがんについては、より注意深く検診を受ける

これらの方法に加えて、最近では自宅で簡単に使用できるがん検査キットが注目されています。

がん検査キットは、特定のがんマーカーを検出し、がんの可能性を早期に発見する手助けとなるため、従来のがん検診と組み合わせて利用できれば、より効果的な早期発見につながります。

ただし、がん検査キットはあくまでスクリーニングツールであり、確定診断には医療機関での精密検査が必要です。

サリバテックでは「だ液によるがんリスク検査」サリバチェッカーを扱っています。

検査を受ける方は、だ液を採るだけなので、侵襲性が低く、どこでも採取が可能という利便性の良さがあります。

詳しい検査の流れは下記をご覧ください。

だ液採取の方法

まとめ

がんは日本人にとって非常に身近な病気であり、一生のうちにがんと診断される確率は「2人に1人」とされています。とくに多いがんの種類として、大腸がん、肺がん、胃がんがあげられ、これらは罹患数と死亡数の両方で上位を占めています。

がんは早期発見と早期治療が重要であり、定期的ながん検診や自宅で使用できるがん検査キットの活用が効果的です。がんに対する正しい知識を持ち、自身の健康管理へ向けた積極的な取り組みが、がんの予防と早期発見につながります。定期的な健康診断とがん検診の受診、そして健康的な生活習慣の維持を心がけましょう。

自宅にいながら検査を受けられるサリバチェッカーは、病院へ行く暇がない忙しい方でもがん検査を受けられます。小さなリスクを見逃さないためにも、ぜひご活用をご検討ください。

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